籠島雫 aka Mapeto
最新リリース
Revival Peace
- 2026/09/11
- 23曲 分
籠島雫 aka Mapetoの音楽性は、日本のアンダーグラウンドシーンにおける極めて個人的で実験的なヒップホップ/エレクトロニカ表現として位置づけられます。主流のストリートヒップホップや商業的なサウンドとは明確に距離を置いた「籠島流ヒップホップ」を標榜しています。 全体的な特徴 • ジャンルの横断性ヒップホップを基盤としつつ、エレクトロニカ、ブレイクコア、ノイズ、スロウコア、実験的なビートミュージック、時にアンビエントやフォーク寄りの要素を混ぜ合わせます。ビートはダビーでハードなものから、抽象的で崩壊的なものまで幅広く、聴き手の倫理観や常識を揺さぶるような実験性を強く意識しています。 • リリックの性格抽象的・詩的で、しばしば過激・グロテスク・倒錯的な表現を含みます。文学的なボキャブラリー(夏目漱石、太宰治、三島由紀夫、ランボー、ボードレールなどの影響を自ら公言)を背景に、個人的な内面(孤独、病、悟りへの渇望、生と死、欲望)を吐き出すスタイルです。フリースタイル的な語りや、物語性を持ったフレーズが特徴的で、「頭爆発炸裂性倒錯」「銀河銀河吟遊銀河」といった独特の言葉遊びやイメージの連鎖が見られます。 • 制作スタイルトラックメーカーとしても活動し、自身でビートを作り、宅録中心に制作。サイファーやオンラインでの共有、仲間へのビート提供を通じてスキルを磨いてきた経緯があります。ライブでは即興性や身体的なパフォーマンスも重視。 影響とルーツ • 学生時代の読書体験と、高校時代の大槻ケンヂ・石野卓球への傾倒が大きな基盤。 • テクノ/ノイズの初期衝動から音楽制作を始め、後にヒップホップへ移行。 • 自身の経験(不登校、精神的な困難、診断された発達特性など)がリリックやサウンドの深みに直結しており、単なる「病み」や自己憐憫ではなく、それを超えて「悟り」や「解放」を志向する側面が近年の作品(特に『Revival Peace』周辺)で強調されています。 作品ごとの傾向の変化 • 初期〜中期:より危険で実験的、下品・グロテスクなサンプリングを交えたブレイク系(例:『破裂系 JUNK PUNK FUNK』)。 • 近年:抽象度を高めつつ、ヒップホップとしての骨格をより明確にしつつも、詩的・哲学的な方向へシフト(『Pagan Poetry』『Novel Hiphop Vol1』『Revival Peace』など)。「ストリートカルチャーとは無関係」と自ら語る通り、独自の内的宇宙を音と詞で構築する傾向が強い。 全体として、完成された「上手い」ラップやキャッチーなフックを目指すのではなく、場数と録音を通じた生々しい表現の積み重ねと、常識を逸脱した実験精神が核となっています。聴く人によって「天才的」「常軌を逸している」「エモい」「最悪」と評価が分かれる、非常に個性の強い音楽性です。